前回紹介しました「配筋検査」、コンクリートの「受入検査」も無事終了し、いよいよ基礎のコンクリート打設を行います。あらかじめ組立てた型枠の中にコンクリートを流し込むのですが、どれくらいのコンクリートが入ると思いますか?
図面を元に計算した結果、138立米入るんですよ!
138立米と言われてもピンと来ないと思いますが、街中で見かけることもあるコンクリートミキサー車に28台分なんです。
↑これがコンクリートミキサー車 最大5㎥を積み込むことができるんです。
ミキサー車が運ぶコンクリートは工場で練り混ぜられた固まる前の生コンクリートというものです。
生コンクリートは時間とともに固まったり、練り混ぜたものが分離してしまったりします。
そこで登場するのがミキサー車。
ミキサー車の荷台で、樽のようなものが回転しているのを見たことがあると思います。
ミキサー車はこの樽のようなドラムと呼ばれる機械の中で生コンクリートを常にかき混ぜながら生コンクリートが固まったり分離しないようにして運んでいます。
工事現場に運ばれた生コンクリートはミキサー車からポンプ車に引き渡されます。
そして、ポンプ車に流し込まれたコンクリートを油圧で押上げ、型枠の中へ送り込みます。
上の写真にある細長い棒状の物は「高周波振動機」と呼ばれる物です。
通常のコンクリートは、例えばポンプの筒先から出た所で、その柔らかさに応じて、山のような形を成します。そこに「高周波振動機」で振動を与えることによってコンクリートの山は崩れて型枠の隅々まで流れていきます。それともう一つ振動を与え、コンクリート内に巻き込まれた気泡を除去し、より密実なコンクリートになっていきます。
少し難しい話になってしまいましたが、138㎥のコンクリートを打設するのにどれくらいの時間がかかると思いますか?AM9時から開始して、打ち終わったのがPM4時半でした。途中、お昼休憩を30分程挟んだので、約7時間掛かりました。ポンプ車を駆使してもこのくらい時間が掛かってしまいます。ポンプ車がない時代を考えると・・・想像もできないですね。技術の進歩って素晴らしいとつくづく感じます。
朝から曇っていて、天気が心配でしたけど、無事コンクリートを打ち終える事が出来ました。これで基礎工事もほぼ終わりです。次はいよいよ鉄骨工事に移ります。
近所の保育園の子供たちが、毎日散歩で工事現場の前を通っていきます。
立ち止まって、工事の様子を真剣な眼差しでじっと眺めています。
そんな小さな現場監督さんに見守られながら、より良い建物をつくっていきます!